こんにちは、Takuyaです!
先日、D7200からフルサイズに買い替えましたよ~という記事を書きました。
この記事ではその続きとして、現在6機種あるニコンのフルサイズ機(※2017年2月現在)の中からD810を選んだ理由について話します!
APS-Cのカメラからフルサイズの高画素機に買い換えようかな?と思っている人なら参考にしていただけるかと思います。
どうか最後までお付き合いくださいませ…
※D810にはリコール情報が出ています。購入の際はお気をつけください。
ニコンのフルサイズ機のラインナップ

ニコンのフルサイズ機のラインナップは、
- D5
- D810
- D810A
- D750
- D610
- Df
の6機種あります。(2017年2月現在)
ただしDfは他の5機種とはデザインもコンセプトもかなり違うカメラなので除外、D810Aは天体撮影専用機なので同じく除外。
Dfも渋くてかっこいいとは思うんですけどねー!
D5も残念ながら高すぎて候補にならないため、それ以外の3機種の中から選ぶことにしました。
今回カメラを選ぶ条件は、
- 動き物をある程度快適に撮れること
- 1.5倍クロップ(APS-C相当)が実用的に使えること
- 今後しばらく不満を持たずに使えること
という3点です。
では、候補から落ちた順にいいところとだめなところを書いていきます!
D610
まず候補から落ちたのはD610。
値段だけで言えば最強なので、それ以外の部分でD750・D810の2機種と比べてどうか、という視点でメリット・デメリットを考えました。
だめな所のほうをたくさん挙げてしまいましたが、動き物を撮らない人や散歩のお供に気軽に持ち歩きたい人には素晴らしいカメラだと思いますし、1台目のフルサイズとして買いやすい価格はだめな所を打ち消しても余りある魅力だと思います。
D610のいいところ
D610のいいところは、
- 圧倒的な価格の安さ
- D750には負けるものの小型軽量
- 秒6コマの連写(クロップ関係なし)
という3点です!
圧倒的な価格の安さ
価格の安さはかなりの魅力で、2017年2月現在のAmazon.co.jpでの価格は新品で121,350円と、D810の半額を切っていました!
※新品で8~9万円くらいまで値下がりしています。(2020年7月現在)
この価格であればD7200を下取りに出さずに2台持ちすることも可能になるので、クロップ耐性(=画素数)は無視できます。
D750には負けるものの小型軽量
私は重さはあんまり気にしないのですが、サイズが今まで使っていたD7200より少し大きい程度なので、普通のカバンで出かけるときに今まで使っていたカメララップを使えるのはうれしいですね!
※今はもう廃盤になってしまったようなのですが、このカメララップを使っていました。
秒6コマの連写(クロップ関係なし)
D810より速い秒6コマの連写は一応メリットではあります。
しかし、そもそも動体にあまり強くないこのカメラでは連写速度の多少の違いはあまり関係ないと思うので、そこまでの強みではなさそうです。
D610のだめなところ
D610のだめな所は
- 画像処理エンジンが古い
- 常用ISO感度が6400まで
- AF性能があまり良くない
- Wi-Fiなし
- バッテリーの持ちが悪い
という5点です。
このほか、価格も安くエントリー機であるD610では触れないことにした部分をいくつか、後述するD750のデメリットのところで触れています。
画像処理エンジンが古い・常用ISO感度が6400まで
D750やD810と比べて、D610の画像処理エンジンは「Expeed3」という1世代前のものであることや発売が1年早いということもあり、一昔前のカメラなのかなぁという印象があります。
この点で、今後しばらく不満を持たずに使えるかというところに疑問が出てきました。
ほかの2機種が常用でISO12800まで使える中、常用ISO感度が6400止まりという点も同様です。
D600のダスト問題への対応のために、一部改良して新モデルとして出したのがD610だというウワサもありますし、古いイメージがあるのは否めないところです…

AF性能があまり良くない
D610のAFモジュールは、D7000のAFモジュールがベースの「マルチCAM4800」というもので、AFポイントは39点、うちクロスセンサーが9点でF8対応が中央7点。
検出範囲は-1~+19EVと暗所にもあまり強くないので、D7200と2台持ちできるとはいえ、AF性能と高感度性能の両方が欲しい局面では不満が出てきそうです。
D7200のAFモジュールはD750と同じ「アドバンストマルチCAM 3500II」なので、その点でも見劣りしてしまいますね。
Wi-Fiなし
D7200ではWi-Fiでスマホと接続して離れたところからシャッターを切ったり、写真をスマホに転送してその場で友達に送ったりSNSにアップしたりできたのですが、それができなくなるのは少し痛いです。
まぁ今回選んだD810もWi-Fiはついてないですが…笑
バッテリーの持ちが悪い
D810もD750もカタログ上の撮影可能枚数が1200枚なのに、同じバッテリーを使うD610では900枚に減っているのも少し気になりました。
予備バッテリーを買えばいいことではありますが寒いところや長秒露光だとさらに減りが早いので、冬にタイムラプスを撮影したいときや星空を連写で撮ってコンポジットする時など、困ることが出てきそうです。
D750
D810に勝っている部分もあり、価格も安いためどちらにするかものすごく悩んだのがD750。
D810と比べてどうか、という視点でメリット・デメリットを考えました!
※D750はリコールが出ています。購入される際はお気をつけ下さい。


D750のいいところ
D750のいいところは
- チルト式液晶がある
- D810以上の高感度耐性
- 暗所でのAF性能
- 秒6.5コマの連写(クロップ関係なし)
- D610よりも小型軽量
- Wi-Fiがある
という6点です。
チルト式液晶がある
ローアングルやハイアングルでの撮影に便利なチルト式液晶はぜひ欲しい。
京都に行ったときに小さなお地蔵さんを撮ったのですが、チルト式液晶があればこんな姿勢にならずに撮れるのにな~。と思いました。笑
D810以上の高感度耐性
D810を超えている高感度耐性が夜の撮影で効いてきそうです。
やはり無理が効くカメラだと、どんな状況でも撮影できていいなと思います。
暗所でのAF性能
AFモジュールはD7200と同じ「アドバンストマルチCAM3500II」で、AFポイントは51点、うち15点がクロスセンサーでF8対応も11点あります。
検出範囲は-3~+19EVと、3つの中では暗所にいちばん強いです。
秒6.5コマの連写(クロップ関係なし)
連写性能はクロップの有無にかかわらず秒6.5コマと速く、D810にバッテリーグリップを付けた上にクロップをした時の速度に迫っているのも魅力的です。
D610よりも小型軽量
CFRPモノコックボディなのでD610より少し軽くなっていますが、大きさはそれほど変わらないのであまり優位性はないかなぁと感じました。
しかしボディが薄くなったため指の先端が当たらないので、グリップの持ちやすさはD7200やD610よりもいいです!
私は手が大きいのでD810のグリップも気に入りましたが、人によってはD810よりもこちらのほうがいいかもしれません。
Wi-Fiがある
D610やD810にないWi-Fiがあるのも高ポイント。
D7200と同じように使えて便利そうです。
D750のだめなところ
D750のだめな所は
- AF-ONボタンがない (D610も同じ)
- 高速シャッターが1/4000秒まで (D610も同じ)
- AFエリアがD810より小さい(D610よりは大きい)
- 1.5倍クロップ時の画素数が少なめ
- 連続撮影コマ数が少ない(D610も同じ)
という5点です。
D610と同じと書いているものは、エントリー機であるD610ではあえて見なかったことにした部分です。
AF-ONボタンがない
私は親指AFを使っているのでAF-ONボタンが押しやすいところにあると嬉しいのですが、残念ながらAF-ONボタンはありません。
D7200ではAE-LボタンにAF-ONを割り当てて親指AFをしていたので、無ければ無いで使えるのですが、ここはボタンを付けてほしかったところです。
高速シャッターが1/4000秒まで
シャッタースピードが1/4000秒までというのも少し残念です。
晴れた屋外でF1.4やF1.8のような明るいレンズを開放で使いたいとき、NDフィルターを付けないと露出オーバーになってしまいます。
AFエリアがD810より小さい


中央以外のAFポイントは使わないという人もいますが、私は構図に合わせていろいろなAFポイントを使うので、AFエリアがD810より小さいのは厳しいです。
画面いっぱいにAFエリアがあるAPS-C機と比べるとフルサイズの一眼レフはどれもAFエリアが狭いですが、少しでも広いほうが嬉しいです!
1.5倍クロップ時の画素数が少なめ
D750の画素数はクロップなしで2432万画素と、最近のカメラとしてはいたって普通です。
そのため1.5倍クロップ時の画素数が1032万画素しかなく、APS-C機を買うまで望遠も1台で済ませようと思うと少し物足りないなと感じました。
連続撮影コマ数が少ない
D750の連続撮影コマ数は14bitのロスレスRawで15コマしかないため、2秒ちょっとで連写が途切れてしまいます。
これはD610よりも1コマ多いだけです。
秒6.5コマの連写を生かすことを考えると、これはかなりのデメリットですね…
1.5倍クロップ時は14bitのロスレスRawで48コマなのである程度使えますが、前述のとおり画素数の問題もあり1.5倍クロップはあまり使えません。
D810
最終的に購入したのはタイトルの通り、D810です!
D810のいいところ
D810のいいところは、
- AF-ONボタンがある
- 常用ISO感度がISO64~
- 高速シャッターが1/8000秒まで
- クロップ時の連写は秒6コマ、条件を満たすと秒7コマに
- 連続撮影コマ数が多い
- D4Sと同等のAF性能
- AFエリアがD750より大きい
- 1.5倍クロップでも1536万画素を確保できる
- プロ機に近い操作系統
- 丸形ファインダー
という10点です。
AF-ONボタンがある
D750にはないAF-ONボタンが押しやすいところに配置されています。
これは親指AFが捗りそうです!
常用ISO感度がISO64~・高速シャッターが1/8000秒まで
常用ISO感度がISO64~なので明るくても比較的低速シャッターを使えるため、ブレを使った表現がしやすいです。
1/8000秒のシャッタースピードと合わせると、明るいところでもD750と比べて1.5段ほど暗くすることができます!
D5はISO100~なので、D5以上に明るいF値を使いやすいのではないかと思います。
クロップ時の連写は秒6コマ、条件を満たすと秒7コマに
連写速度もクロップをすれば秒6コマに上がり、D7200と並びます。
バッテリーグリップで単3乾電池8本かEN-EL18を使うという条件はありますが、クロップ時の連写速度が秒7コマまで上がるのもD810を選んだ決め手のひとつです!
ただしクロップなしの連写速度は何をしても秒5コマ以上には上がらないので、そこはデメリットですね。
連続撮影コマ数が結構多い
D810の連続撮影コマ数は14bitのロスレスRawで28コマ、1.5倍クロップすると97コマと、D750の倍近くあります。
特に1.5倍クロップ時の97コマという多さは結構なもので、グリップを付けての秒7コマの連写と合わせて快適な撮影ができそうです!
D4Sと同等のAF性能
AFモジュールはD4Sと同じ「アドバンストマルチCAM3500FX」で、フォーカスポイントは51点、うち15点がクロスセンサーでF8対応は11点です!
検出範囲はD750には及ばない-2~+19EVですが、D4Sと同じだと考えると十分ではないかなと思いました。
AFエリアがD750より大きい


AFエリアがD750より大きく、AFを使う時の構図の自由度が高いのも便利です。
上の比較画像を見ればD750のほうがAFポイントの間隔が狭く、中央に密集していることが分かると思います。
1.5倍クロップでも1536万画素を確保できる
D810は高画素機なので、1.5倍クロップでも1536万画素あるというのも決め手のひとつ!
D7200の2416万画素には及びませんが、D4Sの画素数が1623万画素だと考えるとこれだけあれば十分置き換えられると判断しました。
プロ機に近い操作系統なので余分なモードがなく使いやすい
この3機種の中でD810だけが、プロ機に近いシンプルな操作系統を採用しています。
D7200・D610・D750は中級機の操作系統なのですが、これにはP・A・S・Mのほかに夜景モードやパーティーモードなどのシーンモードやエフェクトモードがついています。
私が使うのはA・S・Mばかりですし、中級機の操作系統だと左肩のダイヤルが勝手にずれて変なモードになっていたりするのでとても煩わしいです。
AFモードも同じく、D7200やD750ではAF-SとAF-CのほかにAF-Aという被写体に合わせて自動でAF-SとAF-Cを切り替えてくれるモードがあるのですが、このモードも全く使わないのにAFモード切替のときにSとCの間に入ってきて正直なところ邪魔なんです…
その点D810はAF-SとAF-Cしかないので、とてもシンプルでいいです!
丸形ファインダーがメガネに優しい
ニコンの上級機の証として、なんとなくステータスのように言われている丸型ファインダー。
ただの中級機との差別化かと思っていましたが、実際に使ってみるとかなりのぞきやすい!
特にメガネをかけているとき、角型ファインダーの接眼目当ては出っ張っていてメガネに当たりそうになるのですが、丸型ファインダーの接眼目当ては薄いため見やすいです!
アイピースシャッターがついているのも、ミラーアップで長秒露光をするときにわざわざファインダーにテープを貼らなくていいので便利です!
全部丸型ファインダーにしてくれればいいのに…
D810のだめなところ
D810のだめなところは、
- チルト式液晶がない
- Wi-Fiがない
- 高感度耐性はD750より少し劣る
- 暗所AFはD750やD7200に劣る
- 大きくて重い
- フルサイズ時の連写速度が秒5コマと遅い
- 記録媒体がCFカード
- 高画素ゆえに撮影データが大きく、編集にPCの性能が要求される
という7点です。
チルト式液晶がない・Wi-Fiがない
チルト式液晶もWi-Fiも、写真の写りとは全く関係のない機能ではあります。
しかしやっぱりチルト式液晶とWi-Fiは欲しかった…
高感度耐性はD750より少し劣る・暗所AFはD750やD7200に劣る
高感度耐性や暗所AF性能は、D750と比べて劣っていることは確かなので一応挙げてみました。
しかしD810でも十分使えると思うのでそんなに気にしていません!
(※2020年7月追記)
検出範囲が-4EV~と暗所にかなり強いD500と同時に使っていると、かなり暗い所ではD810は明らかにAFが迷ったり動かなかったりしました。ここを重視するならD500やD780・D850・D5など、暗所に強いカメラを選んだほうがいいと思います。
大きくて重い
大きさと重さも私はあまり気にしません!
さすがに今使っているカメラバッグに今まで通りレンズを付けたまま入るかどうかだけはヨドバシに行って確認しましたが…笑
フルサイズ時の連写速度が秒5コマと遅い
フルサイズ時の連写性能が秒5コマしかないのは地味につらいです。
D750のシャッターユニットで秒6.5コマまで上げられるのであれば、よりコストをかけられる上に大型化できるD810もそのくらいにできそうなものですが…
記録媒体がCFカード
メディアスロットがCFとSDのダブルスロットなのですが、ここはCFではなくXQDが良かったです。
というのも私はCFを1枚も持っていないので、どうせ買うならこれから普及していくであろう、より書き込み速度の速いメディアを揃えたい!
ただ、これまでCFを使っていた人はD500のXQDスロットに不満を言っていますし、ここは人によりけりですね…
(※2020年7月追記)
私は結局D500を買ったりD5に買い替えたりしたので、やはりD810もXQDカードに対応していて欲しかったです。
高画素ゆえに撮影データが大きく、編集にPCの性能が要求される
D810のRawデータは1枚あたり40~50MBとかなり大きいので、枚数を撮るならCFカードやSDカードの容量がかなり必要です。
写真を保存しておくPCのハードディスク容量も必要ですし、編集するにもある程度のマシンスペックが必要になります。
私の場合はもともと自作PCでゲームをしていることもあり、HDDの増設や必要なスペックを満たすPC部品への組み換えなどにも抵抗がないので、たいしたデメリットではありません。
まとめ
見出しにまとまっている通りではありますが、私がフルサイズ機のラインナップからD7200から買い換えるカメラとしてD810を選んだ理由は、
- トリミング耐性が高い
- 連写速度はバッテリーグリップを使って秒7コマに
- 連続撮影コマ数が多い
- AF性能はD810でも十分に高い
- 高感度耐性もある
- 1/8000秒のシャッターやISO64~で、明るいところで撮影がしやすい
- プロ機の操作系統なので余分なモードがない
- 丸型ファインダーが思った以上に見やすい
という8つです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事は私が2017年にD7200からD810に買い替えたときに書いていた記事を、今の経験を加味してリライトしたものです。その頃の率直な気持ちが出ていると思います。